自分だけの道を歩むために必要なのは「自己肯定感」【映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1998)の感想】

映画

マット・デイモンとロビン・ウィリアムズ共演のヒューマンドラマの映画(1998)。
 
脚本は、なんと主演のマット・デイモン!
ハーバード在学中に、脚本を執筆。
完成度の高さに注目が集まり、
アカデミー賞やゴールデングローブ賞で
脚本賞を受賞。
「天は二物を与えず」は、
マット・デイモンに限っては当てはまらない。
 
 
テーマは「自己肯定感」。
類まれなる才能を持ちながらも、
自分を愛せないウィル(マット・デイモン)が、
どのように自分だけの人生を歩むのか。
同じく心に傷を抱える心理学者のショーン(ロビン・ウィリアムズ)との交流が、繊細なタッチで描かれている。
 
 
物語は、ウィルとショーンのカウンセリングを中心に進む。
ウィルは、天才的な頭脳で、どんな相手も論破できる。
しかし、次のシンプルな質問だけ、ウィルは答えることができない。
 
「きみは、何がしたいんだ?」
 
 
答えられない原因は、育った環境にある。
里親から虐待を受け、愛情を感じたことのないウィル。
自分をさらけだすと、嫌われる・捨てられる。
だから、自分をずっと出さずに生きてきた。
いつの間にか、自分が何をしたいか、分からなくなっていたのだ。
 
 
そんなウィルを救うのは、ショーンの言葉だ。
  
「きみは悪くない。きみは悪くない。」
  
何度も繰り返すショーンの言葉に、
ウィルはおえつし、号泣する。
  
「俺を許して……」
  
ウィルのつっぱってきた気持ちが溶け、
はだかのままの心があらわになった瞬間だった。
 
 
私は、虐待を受けたことはない。
けれど、ウィルのように
「自己表現」がこわい。
他人から嫌われるのがこわいのだ。
そんな息苦しさから解放されるカギが、
「自分を許す」ことなのかもしれない。
 
ダメダメでもいい。
他人に迷惑をかけてもいい。
そんな自分でいいんだよ。
  
自分を肯定することが、
自分の道を歩む出発点なのかもしれない。
 
 
ただでさえ、
人は自分に厳しい生き物だと思う。
 
だから、
たとえ、どんなにみじめに思えても、
そんな自分を抱きしめてあげたい。
 
そして、
傷ついた人がいれば、
やさしくありたい。
 
 
そのような
自己肯定感の大切さに気づくことができる
名作でした。

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