「あなたは結局どうしたいの?」が恐怖
「あなたは、結局どうしたいの?」
この言葉が、大嫌いでした。
この言葉を聞くたびに、
頭はフリーズ、
心はすくみあがります。
口から出てくるのは、
しどろもどろな、
頼りない言葉だけ。
思えば、
卒業論文、就職活動、仕事…
人生の転機で
何度もこの言葉を聞かれ、
何も答えられないダメさ加減に
凹みまくってきました。
結果も
往々に上手くいきませんでした。
「自分は何をしたいんだ…」
それに答えられない自分が、
ものすごく薄っぺらい人間のようで、
大嫌いだったんです。
コンプレックスの原因は「自分じゃどうしようもない事情」
そんな自分を変えたくて、
最近は「自己肯定感」の本を
読み漁っています。
今回手にとった本は、
『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』(細川貂々&水島広子著)。
私のメンターである樺沢紫苑さんの
『ストレスフリー超大全』で紹介されている本です。
その中で、
「ハッ」と気付きのあった一節を紹介します。
人それぞれ、様々な事情を抱えています。
生まれ持ったもの、幼少期の環境、近くにいた人たちの価値観やライフスタイル、今まで体験してきたことなど、
「自分ではどうしようもなかったこと」をたくさん持っています。(中略)
「そういうふうに育ったのなら、こうなって当然だな」と思うことばかりです。
(中略)
今までの事情を振り返れば、
『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』(細川貂々&水島広子著)P50から引用
「今は、これでよい(これが当然)」というのが最も正しい結論です
目からウロコが落ちた感覚でした。
私は、コンプレックスを
「自分のせい」だと思い、
ずっと自分を責めてきたんです。
だから本に書かれているような
「自分ではどうしようもない事情のせい」という視点は、
衝撃的な気づきだったんですね。
わたしの気持ちを聞いてほしかった幼少期
確かに、
自分でもどうしようもなかった事情は、
あると思います。
その代表が、
「親からの教育」ではないでしょうか。
今でも思い出す、切ない記憶があります。
あれは、小学校5年生の春。
11歳の誕生日、1年に1回のお祝い。
どのように楽しむか、胸をワクワクさせていました。
けれど、
親はわたしに「何をしたいか」一切聞いてくれませんでした。
父の、鶴の一声で、親が行きたい京都へ行くことになりました。
当然、京都は、私が行きたい場所ではありませんでした。
その日は、お休みだったこともあり、車は大渋滞。
夕食は、暗い車内で、ドライブスルーのマクドナルドのハンバーガー。
ハンバーガーをかじり、真っ暗な外の景色を見ながら、
このまま自分の誕生日が終わることに
気持ちが「しゅん…」としぼんだのを今でも覚えています。
事情を考えると、出来なくて当然
親の弁護ではありませんが、
私の親は、私が不自由することなく育ててくれ、本当に感謝しています。
けれど、正直いえば
「わたしがどうしたいか」を
もっと聞いて、
もっと受け入れてほしかったんですね。
「自分の意見を伝え、認められた経験」
が少ないんです。
だから、
「自分の意見を言えない」ことも、
当然といえば当然なのかも、と思います。
そういうふうに
私はプログラミングされていないんです。
「自分を責める」必要なんて一切ない
こうやって書くと、
「他人の責任にしたらダメじゃないか?」
「人生は自分で切り拓くものでしょ?」
という意見も飛んできそうですね。
私自身、そう思っていました。
社会人になってからも
「他責思考でなく、自責思考を持て!」と
口酸っぱく言われます。
自責思考は、
骨の髄まで染み込んでいますね。
けれど、あえて
誤解を恐れず、言いたいんです。
「自分を責める必要なんて、全く必要ない」と。
だって、
悪くなろうと思って、
悪くなる人なんて
いないですから。
はたから見れば、
怠けているように見えても、
悩んでいることも含め、
頑張っていない人はいないですよね。
だから、
ものすごく悩み、頑張っているのに、
そんな自分を責めて、
いいことなんて、
何一つないと思うんです。
「このままでいい」と思えば、成長できる
著書で水島広子さんは、このように言っています。
人間の変化は、
『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』(細川貂々&水島広子著)P51から引用
現状の肯定からしかあり得ないのです。
今の自分を否定し続けていると、
地に足のついた変化など起こせないのです。
まずは、
「事情を考えれば、今の自分はこれでよいのだ(当然なのだ)」ということを認めた上で、
「でも、できればこういうふうになっていきたいな」と思えれば、
実際に変化は可能でしょう。
とても健全な考え方だと、膝を叩きました。
自分の傷を
えぐるのでなく、
「癒やす」こと。
前に進むには、
まず過去の自分を癒やさなきゃダメなんです。
「よくがんばったね」と自分に言う
自分を癒やす言葉を
「実際に口に出す」ことは大切だと思います。
専門用語でいう
「アファメーション」ですね。
私は、
寝る前にしている習慣があります。
鏡の前に立ち、
鏡にうつる自分に向け、
「よくがんばったね」
「今のままでいいよ」
「まあいっか」
と口に出すんです。
すると、
自分のこころが、
ふわぁと軽くなります。
潜在意識が癒やされる感覚でしょうか。
とても不思議ですね。
言葉を口にして出すことの大切さを感じます。
「今は、これが当然」と考えよう
誰しもが、
コンプレックスを抱えていると思います。
そんな自分に
「なんてダメ人間なんだ」と、
自責の念を持つ人も多いのではないでしょうか。
そんな方へ伝えたいんです。
「あなたのせいなわけがない」
「こんなに悩んでいるのに、あなたが悪いわけない」
「あなたうんぬんでなく、どうしようもない事情があったから、そうなっただけだ」
自分の最大の理解者は、
自分です。
苦しみ、悩んできた過去を
だれよりも知っているのは、
「あなた自身」でしょう?
頑張ってきた自分を
癒やしましょう。
それこそが
自分の人生をあゆむための第一歩だと
わたしは信じます。
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