【仕事でメンタルになった人への希望の書】本『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)の感想

マインド

本の魅力

  • 仕事が辛くて仕方がない
  • 過酷な仕事でメンタル疾患になった

そんなあなたにとって、

『この世を生き抜く最強の技術』は

必読書であり、希望の書になると思う。

圧倒的に共感できる

メンタル疾患に向けた本は多く、良書も多い。

ただ、多くの著者は「メンタル疾患の経験者ではない」。

経験者でしか分からない「地獄」がある。

この本の著者わびさんは、

過酷なパワハラなど、地獄のような経験をしている。

生々しい体験談、そのとき感じた経験は、

類書にない、圧倒的な共感を呼ぶ。

メンタル疾患者の希望の書

著者のわびさんは、

うつ病発症ののちに、

二度の転職に成功。年収も2倍になった。

何より、地獄のような生活から復活し、自分らしい人生を歩んでいる。

奇跡の大復活。

メンタル疾患者は、復活劇に希望を見いだせる。

 読書感想

誰かが決めた「正しそうな道」を歩んでいた私

仕事や人間関係、休みの過ごし方に至るまで、

誰かが決めた、一見すると「正しそうな道」があります。

真面目で素直な人ほど、

誰かが決めた正しそうな道に沿って人生を歩もうとします。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P54から引用

「誰かが決めた、一見正しそうな道」。

私にとっては痛烈な言葉だった。

中高大と進学校に通い、大企業に就職。

会社内でも(世間的に見れば)エリートコース。

いわば優等生の人生を歩んできた。

「苦しくても、乗り越えた先に幸せがある」

そう信じて、努力を続けてきた。

誰よりも残業する。

家に帰っても睡眠を削り、仕事に取り組む。

「遊ぶ時間は無意味」

お風呂に入っているときもビジネス書を読み漁り、仕事のことを考える。

「きついけれど、この先に絶対に成功と幸せがある」と信じていた。

けれど、道を進めば進むほど、きつくなってきた。

仕事では、関係者が増え、日々調整に追われた。

どれだけ準備して臨んでも、意見はまとまらない。

終わる目処が立たない。

休みの日も仕事が頭から全く離れなくなってきた。

家族とのひとときも全く休めない。

食欲も落ち、体重も落ちた。

ふいに涙が流れることもあった。

心と体がすでに限界を迎えていたのだ。

著者のわびさんも同じような、いや、もっと厳しい状況にあった

自衛隊では出世街道まっしぐら。

けれど、真面目で従順だった性格もあり、

パワハラの標的に。

1年半にも続くパワハラを受けるわびさん。

うつ病を発症してしまう。

故郷に戻ったときには「死ぬこと」も意識した。

そんな著者が、精神的なつらさを乗り越え、

少しずつ、少しずつ、自分の人生を取り戻していく。

その過程・気付き・行動は、

似たような経験をした自分に大きな気づきを与えてくれた。

徹底的に自分を甘やかす

「自分の気持ちに正直に生きることが大切」と良く言われる。

けれど、自分が何をしたいのか、がそもそも良く分からない。

そもそも、これまでの頑張りだって、自分のしたいことだったはず。

自分のしたいことって、いったい何なんだ?

人生の究極の目標は「本来の自分であり続けること」。

(中略)

その目標に向かうためには、

自分の「今の気持ち」に素直に生きることが大切だと思っています。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P244から引用

だから、「徹底的に自分を甘やかす」ことから始めた。

まず始めたのは「好きな時間に好きなものを食べること」。

これまで「12時頃になったら昼ごはんを食べなきゃ」という思い込みがあった。

けれど、ご飯はお腹が空いてから食べることにした。

また大好きなポテチも、罪悪感から控えていたが、食べたいときに食べるようにした。

きっと栄養学的には良くない行動。

けれど「あぁ、美味しい」という気持ちが、次第に湧き上がってくる。

小さい頃大好きだったゲームも、

思い切ってPS4も買ってみた。

ゲームをすると、童心に帰れて楽しい。

大人になると、頭のなかは

「他人がどう思うだろう」とか「それに何の意味があるのか」とか、そんなことばかり。

社会は合理性を求める。

「成果のでない行動は、無意味」と切り捨てられる。

でも「とにかくやりたい!」という気持ちを大事にしてみた。

ひさびさに「楽しい」気持ちが芽生えてきた。

生きている心地が少しずつ芽生えてきた。

生きるうえでの大まかな目標を定める

理解ない人からは

「で、それが何?」

「現実逃避じゃないの?」

「それじゃ飯食えないでしょ」

と言われる。

そう言われると、とても不安になる。

このままでいいのかと。

もともと自信なんてない。

「こういうふうに生きていきたい」

というおおよその方向性を持っていないと、

寄り道したり立ち止まったりしたときに、

迷子になってしまいます。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P49から引用

「今の気持ち」だけを追いかけてしまうと、

迷子になってしまいます。

だから、なんとなく自分の生きたい方向だけ決めておく。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P245から引用

私はメンタルダウンしたあと、

誰かが決めた「正しい道」を歩くことをやめ、

自分の生きたい方向だけ決めて、

あとはそのときの気持ちを大事にして道を進んでいます。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P242から引用

わたしの人生の目標はなにか。

それは「健康と家族」。

心と体が悲鳴をあげて、その大切さを知った。

美味しく食べれること、

ぐっすり寝れること、

青空を眺めて清々しいこと、

呼吸が出来ること。

今は、すべてが愛おしくて、尊い。

健康は、幸せそのもの、すべての基盤だ。

そして家族。

家族の笑い声、笑顔は、圧倒的な安心感をもたらしてくれる。

家族がそばにいるから、安らかに生きていられる。

わたしは健康と家族を軸に生きたい。

生き方が明確になると、心がふっと軽くなった気がした。

選択肢はいろいろある

でも、人生の選択肢が思い浮かばない。

なぜなら他の生き方を、知らないから。

リアリティのない空想ばかり浮かんでは消え、いつも堂々巡り。

結局「きつさを受け入れるのが大人だ」と、

無理やり自分を納得させてきた。

あまりひとつの道に執着せずに、

生き方に幅を持った方がいいです。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P48から引用

人生どの道に進むか、どのように攻略していくか、

自分の考え次第でなんでもできます。

自由度の高さはゲーム以上です。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P53から引用

でもなかなか楽しめないという人が多いのが現状です。なぜか。

それは周りが決めた「正しい道」にとらわれてしまい、

一本道にしているからです。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P241から引用

これまで道(手段)にこだわる自分がいた。

「こうじゃなきゃダメだ」

「そのほかの道は不幸になる」と。

道にこだわることが、自分の人生を窮屈にしていたのかもしれない。

目的さえ決まれば、あとは大まかな道でいい。

もっとおおらかに、いろいろな道を行き来しながら、

ふれ幅のある生き方をしてみたいと思った。

自分がやってみてから、決める

それでも、やはり自信が湧かない。

年齢もそこそこ、大した特技もない。精神的なもろさもある。

そんな自分に残された選択肢はないのではないか。

同じ職業でも、仕事の評価なんて上司や環境で変わってきます。

そして、今いる場所がダメでも自分に合う場所は必ずあります。

だから、今だけの評価で自分を値踏みしたり、あきらめてはいけません。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P149から引用

「無理」とか「難しい」は

他人が決めることではありません。

自分がやってみてから決めることなんです。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P219から引用

わびさんは、

「35歳以上・メンタルダウン経験・自衛官」という、

通説でいえば、転職の三重苦を持つ。

けれど、見事二度の転職を果たし、年収も2倍になり、

いまは自分らしい人生を歩んでいる。

もちろんわびさん自身が優秀で、

わびさんだから出来る芸当かもしれない。

でも、可能性はゼロじゃない。

一度きりの、自分だけの人生だ。

ネガティブで、根拠もなく、無責任な一般論や常識。

そんなものに流されて、

自分の無限の可能性を諦めるのは、

あまりにもったいないのではないか。

ダメならダメでいいんだ。

まずはやってみよう。

自分で動いて、自分の目で見てみよう。

そう思うようになった。

キーワードは行動

この本の根底にあるのは「行動」の大切さだ。

励ましや支えだけでは、

メンタルダウンのどん底からは這い上がれません。

今、毎日を幸せに過ごせているのは、

思い切って自分で行動したからです。

みじめな姿で敗走した私のことを知らない世界へ生きたくて、

自分で環境を変え、

こんな自分でも一生懸命がんばれる仕事を見つけたからです。

『この世を生き抜く最強の技術』(わび著)P207から引用

悩んでいても、現実は変わらない。

行動することで、現実が変わり、自分を楽にする。

決して世間的に見て、前向きな行動でなくていい。

無理しなくていい。

自分のほんとうの本音にしたがって、行動する。

きつかったら、とにかく「逃げる」行動を。

傷ついたら、徹底的に自分を「甘やかす」行動を。

少し元気になったら、「外の世界を見てみる」行動を。

決して無理せず、自分のペースで。

ほんとうの本音に耳を傾けて、それを行動に移したい。

その積み重ねが、自分らしい人生をデザインしていくことに他ならないと信じている。

著者わびさんへの感謝

きつい体験をさらけだすことは、勇気がいることだと思う。

にもかかわらず、本書では生々しい体験が惜しみなく共有されている。

地獄を見た著者だからこそ言える「生き抜く術」。

大きな共感を覚えるとともに、行動する勇気をいただいた。

著者のわびさんに深く感謝申し上げます。

仕事で辛い思いを抱えるビジネスパーソンが、

この本を通じて、すこしでも楽に、自由に、生きていけますように。

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